第5回「----- ところで、今後の音楽活動の構想の中に<日本語で歌う>というのはありますか?」

----- ところで、今後の音楽活動の構想の中に<日本語で歌う>というのはありますか?
 

今のところはないですね。何度か、考える時期はありましたけれども、無理してやらなくてもいいんじゃないか、というかやりたいことが英語で歌うことなので、それを無理して日本語に置き換えるのなら、その労力はやはり音楽的なことに使っていきたいですね。もちろん日本語を英語っぽく歌うという考え方もあるんでしょうけど、英語自体が音楽的なものだと思っていますし、私は英語の単語そのものにリズムがあり、そのリズム自体が音楽だと思っていて、それはどうしても英語じゃない日本語だと出せないものなんです。だから無理してまで日本語で歌うという発想が自分にはないですね。
エレキギターを弾いている人がいるとするじゃないですか、日本人で。その人に、何で三味線弾かないんですか?っていう質問をすることと同じですね。出る音違うじゃないですか、けど三味線でもがんばれば(ギターのスケールを)弾くことはできますよね。けど、そのがんばればっていうことに無意味さを感じるんですね。三味線と西洋のギターが違うくらい、英語(で歌うこと)と日本語(で歌うこと)っていうのは音楽的に違うものだと思っています。

----- では見方を変えて、海外で音楽活動をするという発想はありますか?

もちろん、短いツアーなど良い機会があればアメリカに行ってみたいですけどね。旅はしてみたいです。最近、私の2ndアルバムがアメリカとカナダのi-tunesでも購入できるようになりました。
一方で、実際問題、自分の生活を考えると海外に拠点を移して活動するというのはとても難しいと思いますね。海外に行って何をやりたいかっていうビジョンも今のところないですし、やっぱり海外では通用しないんじゃないかな、っていう想いが自分の中にあるから欲望が出てこないんでしょうね。
今こうやって日本で、私のやっている音楽で、ルーツ音楽が好きな人とかも含めて興味を持ってくださって、ちょっとずつ広がっている感じがすごくありがたいですし、現実味を感じます。そうやってこれまで関係を築いてきた、お客様の前で演ることが、今の自分がやるべきことかなと思っています。

----- さて、2月2日には【霞町音楽会 第4回】にご出演いただきます。中村さんには、昨年記念すべき第1回にご出演いただきました。

もうお客さんがいっぱいでしたね。普段、対バン形式のイベントに出ることがあまりなくて、珍しい体験でした。また、主催の新川さんの熱意で、違った畑からアーティストを集めての開催って、そういう視点でイベントを開催するというのは、ライブハウスの人もそれほど考えないような、珍しいことなんじゃないでしょうかね。

霞町音楽会第1回 中村まりwithShima & Shikou DUOによるアンコールセッションから。


----- 第4回目はEARTH+という東京の木場にあるギャラリーで開催です。

すごく楽しみにしてます。ギャラリーでの音楽会がどんな感じになるのか今は想像がつきませんが、共演者の方々は普段ご一緒する機会がほとんどない方々なので、楽しみですよ! <完>

<バックナンバー>
第1回「自分の表現したかったことがコードをかき鳴らすだけでは出せない」 こちらから
第2回「歌うということに関しては、まず高校生の頃に<歌ってみたいな>という」 こちらから
第3回「----- ちなみに・・・、今何を聴いてます?」 こちらから
第4回「 でもキミ、インディゴ・ガールズは、こういうギターを弾いていると思うよ。教えてくれた楽器屋のおじさんに私の作品を聴いてほしい」 こちらから
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