辺境系ファンクが注目される中で、フェラクティなどのビッグアーティスト以外の音楽にも注目が集まっています。ヨーロッパでは定着した人気があり、特にフランスでは根強い人気があります。このような中で日本でもアフロビートのバンドがいると言うことをみなさんに知ってほしくて出演をオファーしました。インタビューに答えてくださったのはJariBu Afrobeat Arkestraのベーシスト、久保祐一朗氏です。 JariBuを結成する前はどういう活動をされていたんですか? 久保:ファンクやソウルなどのバンドにずっと参加していたんですが、もっとプリミティブな音楽をやりたいとずっとおもっていて、あるとき、リーダーのMi-changに誘ってもらって、JariBuを始めました。 フェラクティが好きで、アフロビートと言えば、それしか聴いていなかったくらい。自分はずっとファンクとかソウルとか演奏してきていたので、JBとかとノリが一緒じゃん!みたいなところがあったんですが、いざやってみると、「あれ?全然あのノリが出ない・・・。」悩みましたねえ(笑) アフロビートは何が違うのでしょうか? 80年代以降のブラックミュージック(主にブラコン、R&B等)は拍にしても小節にしても細かくとっていくと思うんですよね。 8分だったら16分、16分だったら32分という感じで細かくリズムを刻む感じ。でもアフロビートって逆なんです。大きくとっていく感じ。 全体のフィーリングがとても重要で、楽器の鳴り方もアメリカのブラックミュージックと全然違う感じです。 と言うと? アメリカのブラックミュージックって、ドラムがどーんとあって、その上にベースがあって、ギターがあってと言う感じでレイヤーが構築されている感じですが、アフロビートって、全員がドラムのような役割なんです。 アフロビートというとポリリズムっていうイメージがあると思うけど、必ずしもそうではなくて、むしろそれを意識して演奏していることってあまりないような気がする。演奏の出だしが楽器それぞれで違う事とかあって、そういう重なりが生み出すリズムがポリリズムになって聴こえていると言う感じがします。 結成後はどんな活動をされていたのですか? 結成してからしばらくはアフロビートのノリが出ない(笑)ということもあって、アフロポップのような音楽をやっていましたね。リーダーのMi-changは当初ドラムだったんですが、腰を悪くしてドラマーを新たに迎え、練習を重ねるうちに拍のとり方とか、ニュアンス部分が理解できるようになってきて、少しずつ活動の幅も広がっていったような気がします。 2008年の暮れだったと思うのですが、下北沢でナイジェリア人の集まるパーティで演奏させてもらう機会が出来て、言わば本物の方たちに自分たちのアフロビートが通用するか?みたいな(笑)経験をしたのですが、そこでお客さんが喜んでくれて、「これはイケるんじゃないか?」と翌年ミニアルバムを制作したのですが、「せっかくだから、FUJI ROCKにデモテープ送ってみよう」ということになって、送ったら、FUJI ROCKも出演が決まってと、比較的順調にそのころから活動ができるようになりましたね。 今年はTRAMP(ヨーロッパのレーベル)からリリースを予定していて、ヨーロッパツアーもやりたいですね。特にフランスは移民が多くて、アフリカの方々が多くいらっしゃいますから、自分たちの演奏をどう感じてもらえるか興味があります。肌で感じてきたいと思っています。 アフロビートの魅力ってどういうところにあるのでしょうか? プリミティブなところですね。覚醒するというか、陶酔感が他の音楽に比べて味わえる音楽だと思います。ミニマルとかテクノとかダンスミュージックを聴いている人にも聴いてほしいですね。共通点があって、新しい音楽の発見があると思います。 霞町音楽会に出演することについて OBATALA SEGUNDOの中路さんは自分が音楽を始めたころ、すでに大御所でしたし、そんな方と共演できるなんて、想像したこともありませんでした。学生の頃、高橋ゲタ夫さんがラテンジャズを取り入れたフュージョンを演奏されていたんですが、それを初めて見て衝撃を受けたことがあって。。。中路さんはその時代から活躍している人。緊張しますね。 その他のバンドの方々も普段、共演する機会がほとんどないアーティストなので楽しみです。 自分たちも良い演奏をして、新しいお客さんに興味を持ってもらえるようにしたいですね。 怒涛のアフロビート! |
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